100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「場を乱すことにはならないの」

夏休みにゼミの仲間でバーベキューに行こうと声をかけられた 発起人の男女は30人のゼミ生全員に声をかけているらしい俺は担当班の奴以外はあまり仲も良くはなかったのではなから面倒臭さが先立ったが殆どの人間が参加することを聞いて輪を乱すのもどうかと思…

「側の自販機には」

その昔セブンイレブンが本当に7時から11時までの営業時間だった頃だいぶ遅れて僕らの街にも一店舗建ったそれは当時とてもとても衝撃的だった激しい色のフラッペが2機ぐるぐるまわり暖かいあんまんや肉まんがブースに収まっている景色街灯さえ乏しい道にあっ…

「行方知らず」

飯食いに行かねえかと先輩に声をかけられて回らない寿司屋に行ったそこで俺は子供ができて今度結婚するのだと伝えた先輩はしみじみしながら喜んでくれて日本酒をあおり高い寿司を奢ってくれた先輩はよく浮気をして都度奥さんと喧嘩をしているといつも話して…

「イヤホンをつければ」

彼は感受性が生まれつき強かったいろんなことに気を使い顔色を伺い 気を揉み 気づけばいつも自分を殺していてついには何も、自分には無くなっていた意志も目標も願望も理想も何も無かった 相手の言い分に引っ張られて動き話しかける人の悩みに共感して理由も…

「先輩」

広い背中に太めのボンタンが良く似合っていたひとつ上の部活のヒロ先輩は何人もいる怖い先輩の1人であったがカリスマ性があった そのひとつにヒロ先輩には彼女がいてそれを僕らに隠しもせず見せてくる 僕ら一年生は部の伝統として帰りに校門に並んで先輩全員…

「斜め読み」

結構売れている本だったどんな内容かは知らなかったけれど本屋の目立つところに平積みされていたので手に取った だけどその本は結婚した相手のことを夫とか旦那とか、相方でもいいのだけれど「配偶者」と記していたそれが随所に出てくる配偶者は、配偶者が、…

「ブッキング」

浜風が開け放った車の窓から入ってきて運転手の友人が奇声を発する外が暗くても海が近いと強く感じた外房の友人の家に向かっている明日は朝イチで海に行く予定だ男だけではあるが久しぶりに高校の親友が3人集まるとあって楽しみでしょうがなかった たっぷり…