100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「余命」

古い友人が淡々と語る
何もしなければ親父の余命はあと半年
抗がん剤の治療をして上手くハマれば
手術ができる可能性も万一あるらしい

続けてこんなことをつけ加える
俺だったらやらないな
そんな思いして
もう長く生きたくないよ って
残念ながら私も同感だった

壮年期を超えて
何をやっても辛いことばかりの毎日に
若い頃の野心など、とうに枯れ捨て
この先もきっとこんな事が続くのだろうと
それが垣間見えた時
生きる意欲はずいぶんと希薄になっていた

そんなにしてどうして生きるのか
結局自分の人生はいつからか
自分のものでなくなったからだ

会社のため 世間体のため 家族のため
本質はよくわかっているつもりだけれど
生かされている感覚を払拭できない

そんな話をしていると時間になって
友人は本人に告知するためのICのため
病院に向かっていった