100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「姿なき者」

ずいぶんと失礼な言い方をする奴だ

メールで来た業者からの
依頼文を見て軽く憤る
メールの主は面識があるが
その書いてある内容は
裏にいる技術屋のそれだ
こちらが違うデータを間違えて
送ったのはたしかに非がある
だが、それに対して
「このデータはどこに紐つければいいでしょうか?」
などと皮肉たっぷりではないか
腹立たしい…
何回か読み直して
この依頼は打ち切ってやろうかと
何度も思う

ひとつの言い方
ひとつの言葉尻
姿の見えない文書ならなおさらのこと
そこは捉え方も繊細になるから
慎重にしなければならないのよ

そんな気持ちを抱えた折に
その先方と打ち合わせを
することになった
そっちからの提案案件だぜ
出方によっては言ってやろうと
意気込んで望んだ

だが会ってすぐにわかる
なるほど、そうだったのか

技術屋はそれはなかなかの
話し手ではあったのだが
端々に少なからず粗さが隠せない
外国の方だった

つくづく思う
日本語はやっぱり難しいのだと