2022-06-02 「青色の空」 創作 防波堤をひたすら歩き続ける「ねえ、怒ってるの」沈黙に耐えかねて後ろから声をかけた「ねえ、ってば」同じ歩幅で追いかける「別に怒ってないよ」なのに、2メートルの差が縮まらない「じゃあ、なんで止まんないのさ」夏の暑さが浜からの風で薄まる「別にさ」少し歩が緩む そして振り返って「お腹が空いただけだよ」と微笑んだ お互い並んで歩き出すどこまでも どこまでも 何処かの店先のウインドベルが涼しい音色を奏でていて耳に心地よかったある夏の日の午後 日差しが眩しすぎてあくびが出た