100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「遊園地の花火」

その日遊園地は空が暗くなっても
いつもの閉園時間に灯りを消さなかった
盆を締めくくる花火があがるのだった
郊外の地ではあるが、人はそこそこ多く
そこでの仕事を五時に解放された僕は
夏のバイトで同じく入った仲間達が
昼間に引っ掛けた売店の女の子達も一緒にと
九時に上がる花火を見る約束していた
売店の彼女達は花火の上がる
ギリギリまで仕事だった

男女の仲間達が陣取った場所から離れ
約束の時間に詰所に迎えに行く
すでに第一砲、第二砲と
頭上で炸裂していた
それは破片が落ちてくるほど間近で
恐ろしいほど巨大な花火だった

僕は早くそれを
仲間達の陣取る最良な場所で見たくなり
彼女達が付いてきているかも
ろくに確認せず急ぎ足で戻って
はたと途中ではぐれていることに気づいた

僕は探した
人をかき分けて
探して探して

花火は止んだ

あらかた客が帰った後
ひっそりした入口で
仲間たちと会い
憔悴しながら事を話した

僕のことを好いてくれていた子が
残念そうに
後ろでその話を聞いていて
少し、心が痛かった