100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「おつかれさま」

夕陽が沈んだばかりの
駅のロータリーにバリバリと
エンジン音を響かせながら
3人乗りの2tトラックが入ってきて
タクシー乗り場で停車する

作業着の男が
助手席から飛び降りて
歩を止めずに運転席に
後ろ手を挙げた

助手席に乗っていたもう一人が
ドアを閉めがてら
周りに気持ちのいい声を響かせる
「おつかれぇい!」

降りた男も負けじと返す
「おう!おつかれぃ!」

今日も頑張った
今日も無事終わった
今日も、おつかれさま

2tトラックはまたガロガロと
音を立てて
夕闇のロータリーを抜けていき
男は肩に鞄を背負い
風を切るように
明かりの灯る改札口に
消えていった