100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「シェイク」

ショッピングモールに併設された
日曜のファーストフード店は
とても混んでいて
連なる客を増員したスタッフで
さばいても切れ目がない

そんな最中
祖母と孫がカウンターに来てまで
シェイクを選びあぐねている孫に焦る

祖母が急かして声をかける
どれにするのかと焦れながら
商品の記載している机上の
トレーを手前に引っ張った
そのトレーは隣の客のものだった
あっ、と店員は思った
それに孫も気づいて
足早にその場からはなれていった
祖母はどうしたのかわからない

戻ってきてしまった子を
ずっと遠くで見ていた母親が
しつこく詰問する
不貞腐れた仕草をしながら孫は
急に飲みたくなくなっただけだよと

理由は決して口にしなかった