100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「テトラポッド」

夏の日差しを真芯に受けて
僕らは沖合のテトラポッドの上にいた
級友が次々と一番高いところから
勢いよく飛び込んでいく中
僕はその様を傍観者面で眺めていた

傍にいた見知らぬおじさんが
てっぺんを指し
君は飛ばないの? と聞いてきた
僕は愛想笑いを浮かべて
いえ と曖昧に返した

ジリついた背中に潮風が心地よく
顔を上げれば瞼の裏が真っ赤に映る

級友達がはるかかなたの
波打ち際に近づいたころ僕は彼を一瞥し
跳ねるように岩を蹴って
海の中に飛び込んだ
太陽の光に揺れる水面に
激しいストロークを打ち付けて
冷たいしぶきが空に舞い上がる