100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「慟哭」

25年ぶりの同級生との会話は
楽しい思い出話から一転
死んだ友人の話になった

その友人と野球のクラブチームで
バッテリーを組んでいた同級生は
その思い出深い友とのあの日を語り出す

中学生になったある日
放課後サッカーをしていて突然友は倒れた

騒然とした空気を残したままに友は運ばれ
その数日後
年末差し迫った寒い冬に
静かに息を引き取った

“葬式の時のお母さんの叫び声が耳から離れないね”

そう言って同級生は少なくなった酒を飲み干した

片田舎の小さな中学校の
校庭に乗り込んできた救急車が
友を運んで行った光景が
四半世紀を超えて蘇る
冷たい北風が身を切るように当たり続け
僕らは校庭の真ん中で佇んだまま