100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「ほんの些細な」

風呂に入っていると
洗面所の電気が灯った
誰か帰ってきて手を洗ってんだな
と思って「誰ぇ?」って
声をかけたが返事がない
仕方なしに湯船から
身を乗り出して
扉を開けはなつと
鏡越しに学校のジャージ姿の
娘と目が合う
イーっ、と睨まれて扉が乱暴に閉められた

手洗い石鹸の残り香が
浴槽に流れ込んで鼻をついて
心も温まっていくのに
気付きながら
深い深い息を吐く