毎年夏になると
駅前にでっかい向日葵が
何十本も植えられる
太くて大きく堂々として力強く
太陽に対峙してみせるそれは
毎朝重い足を引きずって
会社に向かうサラリーマンを
だるい足取りで
学校に向かう学生を
ちょっとだけ元気づける
大いに頑張るぞ
なんてことはない
ちょっとだけである
でも毎年気にする
そしてちょっとだけ元気をもらう
そんな向日葵が
その年も植えられたが
どれも当初から元気が無かった
梅雨が長引いた影響なのか
最初から萎れているように見えた
そしてある朝
夏の終わりを待たずして向日葵の頭は
全て切り取られていた
それは2020年夏の出来事
あたかも象徴するかのように