100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「救命」

暗闇を掻き分けて救急車が到着する

酩酊状態で1m下のコンクリート
近所の旦那が頭から落ちたのだ
どこからかかなりの出血があって 
一時車内で心肺停止状態になった

何てことない幼稚園の
ママさん仲間の宅飲み会だった
3時位から飲んでいたらしく
嫁に誘われて仕事終わりに
到着した8時頃には
各々の主人も含めた皆がそろって
泥酔状態の中での出来事 

ロクに飲みきれなかった彼と
若干意識のある数人とで
事の重大さに慌て彼と
へべれけの奥さんが乗り込んで
かなり遠い病院に搬送された

一晩明けて夕方には
ひどく顔を腫らしながら
庭先でタバコを吸っている
旦那を見かけた 
決して良好とは言えずとも
生きていてよかったと
安堵した

もしかしたら人は
簡単に死んでしまうのではないだろうか
日常の何てことない出来事に
死は潜んでいて
ほんのちょっとした弾みで姿をみせて
その人の人生や周りの積み重ねた
いろんな大切なものを根こそぎ
奪い取ってしまうのでは
ないだろうかって

それは彼の心をしばらく掴んで
離さなかった
死の影を目の端に捉えながら
くだらないと思っている日々を
または大切にしなければと思う日々を
相変わらず思考は行ったり来たりしているけど

とにかく私達は今日も 生きている