2022-01-11 「心模様」 創作 闇ですっかり包まれてしまったプラットホームに電車が到着して多くの人が吸い込まれていく高校生の彼氏だけが乗り込んで眼鏡の小柄な彼女はその流れから離れていったバイバイ、と挨拶したきり彼は向こう側の窓に向いたまま 振り向いてあげればいいのになと横目でずっと盗み見る彼女は人を掻き分け掻き分け必死に彼を見つめるがすでに彼の心は何処へやら 扉が閉まってゆっくり動き出す電車彼女が二、三歩駆けて手を振った少しだけ顔を向けた彼にマスクを下ろして満面の笑みを見せてみる