仕事をさぼり
建物の影に隠れて一服している
基地から飛んできた輸送機が
轟音を鳴らしながら過ぎ去ると
ひときわ蝉の声が騒がしくなった
まとわる湿気にため息ついては
シャドーピッチングを繰り返す
見えないボールは
ビルに切り取られた青い青い空に吸い込まれてはするりと消えた
ここは夏の檻だった
やがて雨が降るたび涼しくなって
時間ばかりが淡々と流れた
満足できる自分と許せない自分が足踏みしている
ナーバスなのはきっと熱があるから
憂鬱なのはきっと鼻が詰まっているから
そう言い訳しながら
次はきっと負けないようにと
ちょっとだけでも進めるようにと
明日の自分にまた期待している