100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「市電と夕日」

夕焼けで赤く染まる
海岸沿いの国道を自転車で走りながら
彼女の待つ駅に向かう
潮の匂いが鼻をつき
浜風が髪を撫で続けた
はやる気持ちを落ち着かせても
自然と漕ぐ脚の力が強くなる
初夏の陽気が制服の背中を膨らませた
もうすぐ もうすぐ
ヘッドライトが眩しく感じて
虫の声が大きくなった
振り向いた笑顔を見るには
少し近づかなければならなくなりそうだ
オレンジの街灯が彼女を照らす
市電がゆっくり追い越していった