2022-06-15 「市電と夕日」 創作 夕焼けで赤く染まる海岸沿いの国道を自転車で走りながら彼女の待つ駅に向かう潮の匂いが鼻をつき浜風が髪を撫で続けたはやる気持ちを落ち着かせても自然と漕ぐ脚の力が強くなる初夏の陽気が制服の背中を膨らませたもうすぐ もうすぐヘッドライトが眩しく感じて虫の声が大きくなった振り向いた笑顔を見るには少し近づかなければならなくなりそうだオレンジの街灯が彼女を照らす市電がゆっくり追い越していった