ある日の夕方
学校から塾までの車内で
珍しく座れたので
でる単なんかを読んでいたのが災いし
揺れもやっぱり心地よくて
ついうつらうつらしてしまった
ちょっと疲れていたかな
寝不足が続いていたかも
あっという間に夢の世界に落ちていく
30分の距離を揺られて揺られて
終点に到着したアナウンスも気づかず
深く眠った
ふと肩を叩かれて目が覚める
お姉さんが笑顔で起こしてくれた
“ごめんなさい”と言って
慌てて立ち上がって飛び降りた
もう車内には誰もいなかった
改札まで歩きながら
お姉さん可愛かったなと
人間まだ捨てたもんじゃないななどと
思って でも
ごめんなさいは変だろう、と
ひとり苦笑した