100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「夜中の出来事」

夜中三時に不意に目が覚めた
無意識に冷蔵庫の前に
特にノドも渇いていないのに
コーラを二口
歯を磨き忘れていたので
磨きがてらにテレビを付けると
派遣切りされた男が
職も見つからず
二人の小さい子供と嫁をかかえ
借家を追われ生保になるという
ドキュメントが映し出された

会社への不満が鬱積して
どうするか決断を
しなければならないところに
自分はその時いた
もしこのまま
退職することになったらと
地域性や技術やコネや
いろいろな面で
その男と重ねてみる
そしてそれは恐ろしいほど
紙一重であるようだった

何より お告げとか啓示とか
そんなのは
マヤカシだと思っていたが
なぜあの時間に目が覚め
あの映像を観ることになったのか

理由が付かないような気がした

 

あれから十数年経った
正しかったかどうか それは
未だにわからないのだけれど