100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「図書館」

昼下がりの一番暑い時間の
図書館の中は
適度な心地よさだった

あるコーナーの棚をあてもなく
目で追うと下段の項目群に
興味を惹かれ
しゃがんだ姿勢で数冊本を開く
右手にだいぶお腹の大きな
妊婦さんが
同じ棚を順に追っていて
大変だな、なんて思いながら
構わず物色を続けていた
ふっと居なくなったかと思うと
今度は左手に回っている
ああ、私の背中の鞄が邪魔で
通れなったんだって気づいて
遠回りさせてしまったことに
申し訳なさを感じつつ
場を離れる
私の居た場所で
何かを見つけたのが
遠くから見えた

数冊の本を選び数分後
カウンターへ向かうと
前に先ほどの妊婦さんがいた
ずいぶんと
沢山の本を受付していた

両手にいっぱい抱えた彼女は
振り向いて 一度だけ私を見て
去っていった