100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「きっかけはいつでも」

ある女性と本の話になった
今文学部の学生らしい
彼も幼少期からそこそこ本を読む
文学少年であったが
最近はどうしても選ぶ本が偏ってしまい
少し食傷気味で冒険をしてみたいと
思っていた
それでお勧めの本を彼女から聞いた

自分では経験できないことや知らない世界を
感じれるのは素敵ですよね

彼女はそう言って数冊の本を紹介してくれた
残念ながらそのどれもあまり
彼の心の琴線に触れるものではなかった

ところが彼女があの時
呟いた言葉がずっと耳に残る それで
彼の読書量はその日から如実に増えた
文学に染まっていく
それらは彼のこのドロドロした嫌な日常から
切り離して違う場所に誘ってくれるのだ