100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「一番に」

別れる手前の会話で
彼女が「それで一番になりたいんだ」って
そう言った
こんな事で?って思った そんなものだった
でも、最後に握った手の力強さに、僕は
図らずも狼狽えた

もう恥ずかしくて恥ずかしくて
多くの人が行き交う雑踏の中を
ずっと下を向き足速に駆け抜けて
ビルに囲まれた小さな公園の隅に隠れて
“僕は、僕は・・・”と
声を殺して泣いた

僕には何も無かった 本当に