100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「花火」

毎日毎日
もう勘弁してほしいと
思っていた猛暑は
いっときの霧雨によってあっという間に
絡め取られてしまった

涼しくなった夕闇の公園で
よちよち歩きの子供を
二人かかえた家族が
誰もいない公園で花火をしていた
遠い街灯のほの暗い中に
灯る一本の蝋燭の炎は綺麗で
母親がひとりの肩をつかみ
近寄らないようにして
父親がもうひとりの娘の
手に持った棒を炎に近づけると
弾ける音とともに小さな歓声が響き
周りが赤や緑に明るく灯った

もうすぐ夏が終わる
もうせつなくなった