「転校」
転校してすぐに二人の同級生が
遊びに来ないかって
声をかけてくれた
遊びに行った同級生の家は
二間しか無い平家で
そこでそこそこ身体の大きくなった
六年生三人がバタバタと暴れて
それはそれは楽しかった
誰も知らない土地で新しい友達と遊べたことが
楽しかった
ほどなくしてサッカー部に入り
仲間も増えた
二間の友人もサッカー部だったが
少しづつ休みがちだった
部活をサボっていると思われて
周りの風当たりが強くなって
自分もそれに乗っかった
そんな彼が
疎外感から逃れるように
廊下でじゃれてきたのに
僕はとてもとても冷たくあしらった
家庭の事情だったらしい
周りの仲間に流されて
恩義すらも忘れて
大きくなったつもりでいて
僕はそんな罪悪の十字架を
今も背負って生きている
じゃれてきた彼の顔を
きっと忘れることはない