100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「幸福の羽根」

改札を出ると数十人の女子高生が
緑の羽根の募金を
大声で呼びかけていた
手を引いていた娘に
数十円を握らせ募金に行かせる
箱にお金を入れると
ひとりの生徒が“ありがと”と
言って屈んで娘の左胸に
羽根を付けてくれた
何の募金かなんて
説明してもわかる年齢ではない
ただ自分が行った行為で
感謝された事が
いいことをしたのだと理解して
鼻息荒く戻ってきた

家に帰ってきて胸の緑を見た嫁に
「募金してきたの?」と
言われると
彼女は誇らしく
羽根をぽんぽんと叩いた