100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「残像」

帰りの乗換のホームのこと
高校の時使っていた駅と似ていて
もちろん場所も路線も違うのだけど
夜になるとなおのこと
蛍光灯やら階段やら見える景色に切なくなる
あの時と同じような場所で
ついつい立っていることに気づく

塾の帰り
乗り継ぎの悪い電車を待ちながら
今は売ってないステビアという250mの缶を飲み
英頻を読むのがいつもの流れ
いつも同じ時間の 同じ電車の
同じ場所に乗ってくる子を待っている
口下手で 不器用で
生真面目で 奥手で
声なんかかけられる勇気もないわけで

ジュースの味なんかわかんないでしょ
単語のひとつも頭に入ってないでしょ
そんな彼を僕は今
たまらなく懐かしんでいる