100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「違う今日」

電車が駅に到着してゾロゾロと乗客が降りる中
隣の降り口から張り上げる声が聞こえる
バタバタと激しい動きが隣の扉からでも見える
“降りろ警察だ” “ちゃんと見ていたんだよ”
かなりの悶着の中ひとりの男が引きずり出された
野次馬が遠巻きに囲み 
車内からの視線を集めていた
対象者は両手にビニール袋をつけられて
数人の男に掴まれている
彼にとっていつもの朝はそこで違う1日に変わった
もしかしたらいつもの1日はそこで
違う人生に変わってしまったかもしれない

“いつもの朝、同じように電車に揺られていた
昨日も、多分今日も
イケてない1日かもしれないけれど”

こだまが響く

電車は何も無かったかのように
彼を置いて数分遅れでその駅をノロノロ出発する

“胸を張って生きていこう
それでいいじゃねぇか” って