2022-02-01 「坂道」 文芸 別れ際、彼女が「手、繋いでくれて嬉しかった」と言った不思議な気分だった半同棲の状態が続いてもう半年あっという間に新鮮さは失われ何もかもが当たり前だったアパートから出てすぐの坂道でたまたま何気なく手を引いたその手初夏の気持ちの良い朝にたまたま出社が同じになって最寄駅でお互いに乗る路線に別れた時のこと あの坂の景色が好きなんだって言ってた彼女 今はすでにそこには住んでいなくその手はもう そばには無い