100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「坂道」

別れ際、彼女が
「手、繋いでくれて嬉しかった」
と言った
不思議な気分だった
半同棲の状態が続いてもう半年
あっという間に新鮮さは失われ
何もかもが当たり前だった
アパートから出てすぐの坂道で
たまたま何気なく手を引いたその手
初夏の気持ちの良い朝に
たまたま出社が同じになって
最寄駅でお互いに乗る路線に別れた時のこと

あの坂の景色が好きなんだって言ってた彼女

今はすでにそこには住んでいなく
その手はもう そばには無い