「幕」
過度な期待がかかったものでも
無謀な依頼だったとしても
それでもやっぱり幕は開く
準備不足を嘆いていても
自分に力がなかったと嘆いていても
その日は絶対やってくる
ある人は言うのだ
考えたってしょうがないと
なるようにしかならないのだと
終わった後で思うのだ
そんなに大したことがなかったと
案外うまくいったのだと
でも、そんなことは微塵も思えず
不安が波となって心に押し寄せる
寝ても醒めても悪いことばかり考えて
死ぬことさえも考える
明日が来なければいいと思う
大きな溜息をついて
いつも自分はこうなのだと自分がとっても嫌になる
下を向いてトボトボ歩いた
なんで自分ばかり辛い目にあうのだと
神様なんていないのだと
不遇な運命をひたすら呪う
そんなことをつらつら考え
それでもやっぱり幕は開くのだ