100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「誰が」

幼馴染の家の両親は
いつも喧嘩をしていた
縁側で遊んでいると中から
母親の金切り声が聞こえ
程なくして車で出て行き
静かになった部屋で
父親がうなだれていた
そんな様子を
彼は何度も見て居心地を悪くしていたが
幼馴染は意に関せずに
また彼と遊ぶため家に誘うのだ

彼は社会人になるのを潮に
親元を離れた
以来幼馴染とはもう会っていない
帰省した時
その二階建ての一軒家の
前を通ると
殆どの雨戸は閉まっていたが
淡い桃色の車だけは真新しかった
誰かは住んではいるらしい

だいぶ前に離婚したのだとかを
彼の母よりそんな醜聞を耳にした
では、誰がそこに居るのか
一人っ子の幼馴染か 母親か
父親か

さぁね