100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「本当は」

彼女は話好きだ

幼少期の頃から喋る方だとは思っていたが
高校から大学にかけて輪をかけるように
会話が止まらない
大学のサークルでやったこと
バイトのシフトの文句
バスで見かけたくだらない出来事や
おやつに買ったパフェの話
よくもまぁこれだけ次から次と話題に尽きないなと
舌を巻いていた

私はその当時仕事で何件もの
終わりの見えないひどいトラブルを抱えていて
朝も早くから夜遅くまで息つく暇がなく
特に精神はかなり疲弊していた
そんな私の遅い帰りを待って
妻はいつも寝てしまっているが
彼女は若さ故かいつものマシンガントーク
ぶつけてくるのだ

1人になりたくて
ちょっと鬱陶しいことも多々あるが
概ねはそんな娘の話に、つい笑顔になる

 

元来ネガティブな性格で
希死念慮が激しい性分だった
彼女が幼い頃もそんな姿を隠しもせず
露呈してきたことを後悔している
強い父でありたかったが

そして今もまた自分では気づかずの
アラートが出ているのだろうか

今日も終電間際の帰宅に
扉を開けると
奥から近づいてくる音が聞こえてくる