100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「ふとした事から」

それは何かの集まりの後だった
両親と母の兄弟夫婦それそぞれの子供たちが
自営を営む広い祖母の家に集まった
20人くらいがつい先ほどまで料亭で
飯を食べ日が暮れたあと流れ着いた
僕は久しぶりにいとこたちと会えて
楽しくてしょうがなかった

大人たちは煙草を吸い酒をあおり
盛り上がって何やらよくわからない話をして
笑い合っていた

ところが夜も更けた頃
悪い酒が回り出した大人たちが
あちこちで怒鳴り合い出し
兄叔父が歩行もままならないのに
車で飛び出してしまった
話の元凶であった祖母の弟が
温厚な祖母に激しく叱り飛ばされ青くなる中
叔母が電話で警察に連絡し保護を依頼する

時間が経つほどに悪い予感が膨らむ事態に
重い空気がのしかかる
外は小雨が降りそぼり
街灯が明かりの部分だけ
雨の一つ一つを鮮明に映していた

その明かりの中酷く罵られ泣き崩れている
弟叔父の肩を抱いて父が慰めていた
多分この先もずっと覚えているんだろう
そんな光景
それは映画のワンシーンのようだった

 

車で出て行った兄叔父は道の途中の
路肩で停車された車の中で
泥酔している状態で発見された