100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「透きとおるような」

夏の野球場にて

改札に向かうエスカレーターの前にいた高校生は
ずいぶん肌の綺麗な白い人だな
と思った
真っ黒な黒髪がさらに際立たせていて
ただショートボブの縛り方が下手だな
なんて感じながら
降り口で抜き去った

球場に入って最上段に座ったら
視界の先にその子を見つけた
最初は賑やかな生徒達の後ろに1人でいたけれど
試合が始まる頃には
似たような2人の友達が隣に座っていた
点が入るたびにはしゃいで
チアリーダーと同じ動きをするのが
面白くてついつい見てしまう
この試合はそのはしゃぐ姿がよく見れた

少しずつ自慢の白い腕が日に焼けて
赤くなっていくのが遠くからでもわかった
試合が終わって帰りしなにほんのちょっとだけ
顔が見たいなって思った

しばらく彼女が動くのを待っていた
人混みに紛れて
俯きながらも満足そうに歩いていく姿を
少しだけ垣間見て自分もやっと席を離れた