100%な朝を迎える方法

平凡な毎日の何気ない出来事を切り取っていく

「おこない」

クラスにあまり
経済的に裕福でない女生徒がいた
服装、持ち物、弁当あらゆる部分に
嫌でもそれが見て取れ
男子はあからさまに冷やかすが
良かれと思ってやっている
女子の行動も
十分残酷なことだったりもした
十代の前半という誰もが
正解を探す事が
困難な時期でもあった

彼女が休みの日
意を決して担任が
彼女の家庭について話をし
それに対して馬鹿にする行為は
絶対に許さないと
女子達から予め聴取しておいた
馬鹿にしていたとされる男子達を
次々に殴り倒していった
ある男子が
「おれ、やってないよ」と
否定したが
「調べは上がっているんだよ!」と問答無用で張り倒された

彼がやったかどうかは知らない
ただ日頃の行いが
十分影響していることは
確かだった

これはあまりに可哀想だ

俺はホームルームの後
彼に近づき、言ってやった
「先生や周りがどう思っていたとしても、お前がそんな事をやらない奴だって事を、俺は知ってるぜ」って

まだ痛む頭をさすりながら
彼は口をとんがらせて
横を向いた